今週のコラム バックナンバー(No.19〜No.11)



 No.20 (2001.08.13)   『プレゼント企画の結果』
 まだまだ暑い毎日ですが、お盆休みはいかがお過ごしでしょうか。。
 松本インターネットサービス、夏祭り「松本ぼんぼん」開催記念プレゼントに
協賛していました『建築家が選ぶ照明器具:1名様』の応募を8/9で締め切らせていただきました。
7/10からの1ヶ月間で、1328名の方からご応募をいただきましてありがとうございました。
抽選の結果、桐沢佳代子様(長野県)を当選とさせていただきます。おめでとうございました。
本当に多くの方にHPをご覧になっていただきまして、改めて御礼申し上げます。
たった1名様にしか商品はさし上げられませんが、またの機会も考えていきたいと思っていますので、
今後ともよろしくお願い致します。
 事務所は、8/12〜8/16までお休みをいただいていますが、私は仕事やら私用やらで飛び回っています。
8/13:基本計画中のお施主さん(I さん)と打合せ
8/14:大工さんの加工場へ打合せ(8/23に上棟予定の諏訪の家の件で)
8/15:諏訪の花火を見学
8/16:実家のお墓参りなど、というような予定です。
少しはフリーな時間も取れそうですのでリフレッシュしまして、8/17から通常営業に戻ります。(林 隆)

 No.19 (2001.08.06)   『せんだいメディアテーク』
 先週、お休みをいただきまして東北へ行ってきました。
家族は買い物・牛タン・温泉とすっかり観光気分でしたが、私のお目当ては『せんだいメディアテーク』。
伊東豊雄氏の設計により、仙台市が建設した図書館・ギャラリー・シアターなどの複合施設で、
設計コンペの段階から「新しい時代の新しい公共のあり方を探る建築」として注目されていて、
早く見てみたかった建物でした。
 いわゆる「図書館」「美術館」など、従来の施設の型とは全く異なり、各空間が部屋として閉じられて
いないことにより特定の機能をもっていないこと。鋼管を組んだ揺らめく柱・薄いフラットスラブ・
透明なファサードの三つの要素で構成され、あいまいな場所をデザインする明快な構造計画。
とにかく空間そのものが、世界でも類をみない建築ではないかと思える程の新しさを感じました。
新しい企画に挑んだ行政・設計者・施工者が大きな感動を与えてくれましたが、このすごい建築を
これから人間がどのように使いこなしていくのか、すごく興味深かったです。
 あいにく3日間とも雨と曇りで、21〜23℃という涼しさ。群馬経由で帰り、長野県に入った途端
快晴で30℃以上の暑さで、奇妙なお天気でした。 (林 隆)


 No.18 (2001.07.30)   『夏の恒例』
 
建築士を養成する学校(日建学院松本校)がありまして、そこで2級建築士設計製図の
非常勤講師としてお世話になっています。9/23が試験日で、それまでの毎日曜日そして
直前の2週間は平日の夜も、という日程で昨日から始まりました。
実務の中ではCAD化が進んでいますが、手描きの線はやはり味があり経験と訓練を
重ねないと「生きた線」になりません。 目標に向かって真剣に取り組んでいる若者の姿は
すばらしく、私も思わず初日から力が入ってしまいました。
 もうひとつ夏の恒例ですが、7/31〜8/2まで夏休みをいただきます。今お世話になっています
お施主さん・建設会社の監督さん、ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願い致します。なお村山の
夏休みは来週の予定ですので、事務所は営業しております。
 トップページでもご案内しておりますが、事務所のホームページが「信毎ホームページ大賞」
(団体部門)の一次審査通過作品(20作品)に選ばれました。1998年11月のホームページ開設
以来、多くの方々にご覧になっていただき応援されてきた賜物であり、今回の一次審査通過に
対しましてもお祝いや励ましのメールをたくさんいただきました。この場をお借りして改めて御礼
申し上げます。今後も皆様に興味をもっていただけるようなHPにしていきたいと思いますので、
よろしくお願い申し上げます。 (林 隆)


 No.17 (2001.07.23)   『お山の測量』
 7/17には、岐阜県・鈴蘭高原の別荘地へ村山と二人で測量に行って来ました。
安房峠を越えて、高山から30分くらいのところです。
 斜面に建つ計画のため、敷地のレベル差を測ることと、夏の景色を確認することが
目的だったのですが、敷地に着いたら唖然としてしまいました。身長を越える雑草が
ものすごくて、敷地内に踏み込むのも大変な状況だったのです。一瞬途方にくれましたが、
気を取りなおしてとにかく最低限の調査だけはしようということになり、調査が始まりました。
視線がきかないことと草木を避けて歩くため、すごく時間がかかり、昼休みも30分で
切り上げてとにかく終わらせました。雪をかくラッセル車の如く前進する村山の体力には
恐れ入り、私は楽ができました。
 「高原だからきっと涼しいし景色もいいから、お昼休みは風をあびて木陰でゆっくりお昼寝。」
なんて余計なことを考えていたものですから、一転大変な一日になりました。
しかし考えようによっては、まったく自然な状態を見ることができ、その敷地の中に踏み込んで
調査したことにより、新たな発見もたくさんあったわけで有意義な1日でした。 (林 隆)


 No.16 (2001.07.16)   『驚いた出来事』
 連日30度を越え、大変な毎日です。昨日の夕方は松本に小泉首相がみえて、相変わらず
のすごい人気だったようですね。
先週は7/10と7/15には地鎮祭、7/13には上棟式とおめでたい行事が続いた1週間でしたが、
そんな中で、残念なひとつの出来事がありました。
 知人がメールで知らせてくれたのですが、「ある設計事務所のホームページが、私達の
事務所のホームページとそっくり。」とのことでした。
早速見てみましたら、全体の構成はまったく同じで、各ページの内容は8割くらいが単に
コピー・ペーストされているではありませんか。さすがに私も納得がいかず、その事務所に
電話し即刻停止してもらいました。 相手は、ネットの世界の仕組みやマナーについて
認識がなく、お手軽に立ち上げたというくらいの単純な発想による行為で、ことの重大さを
ほとんどわかっていませんでした。お互いに物を創造する仕事に携わっているわけですから、
とても悲しいことです。
 私達の事務所のホームページは、1998年11月の開設以来、自分達の手で時間と手間を
かけて作り上げてきたものです。決して格好良くありませんし、内容も技術もまだまだですが、
自分の考え・事務所の考えを一般の方に対して発信できる、即時性のあるメディアとして考えて
います。
 時間をかけて作り上げてきたものが、一瞬の間にコピーされ他人のホームページらしきもの
に変わります。しかも見た人はどちらが本物で、どちらが偽物かはわからないでしょう。
今回の出来事は、まれなケースだとは思いますが、これもネットの世界だからできてしまう
ことなんですね。 (林 隆)


 No.15 (2001.07.09)   『雑誌の取材』
 リビング信州(2002年版、信濃毎日新聞社)という雑誌に、「黒い箱の家」(長野県・蓼科高原)が
掲載されることになりまして、その取材を 7/5にしていただきました。
 建物の引渡しは昨年の12月でしたので、その時はもう雪が舞っていました。今年の春にも一度
お伺いしていましたが、夏になってからは始めての訪問です。周囲の木々の緑に埋もれる黒い外観は、
それなりに落ち着いて見えました。斜面に張り出したデッキから望む景色は格別で、「夜は窓を
開けると寒いくらい」 という気候もうらやましい限りです。
 ひとつ驚いたことがありました。それはライターの方がいろいろな小道具を準備してきてくれたこと
です。まだ家具などが充分に揃っていない旨を、事前に編集社に伝えてはあったのですが、野の花・
小さな花瓶・小鉢・果物・野菜・パン・タペストリー・敷物・アイロン・ハサミ・カッター・・・・・などなど。
もちろん全部使ったわけではないのですが、その女性の気配りには頭が下がりました。
なんと私は、その一部をおみやげとして、いただいてしまいました。
 施主のFさん、、1日中ご協力いただきまして本当にありがとうございました。
ライターのNさん、高速は130kmも出さないで下さいよ。
カメラマンのSさん、埼玉を朝の5時に出られたそうで遠路ありがとうございました。
今年の秋の発売が、今から楽しみです。 (林 隆)


No.14 (2001.07.02)   『木曽・奈良井宿』
 早いもので2001年も半分が過ぎ、いよいよ夏本番ですね。このコラムも4ヶ月目になりましたが、
今後も続けていきますので、よろしくお願い致します。
 6/30(土)には、信州・木曽の奈良井宿(木曽郡楢川村)に寄る機会がありました。
中山道の木曽11宿(北から贄川、奈良井、薮原、宮ノ越、福島、上松、須原、野尻、三留野、
妻籠、馬籠)の北から二番目の奈良井宿の街道は、全長約1km、曲線を描きながらおだやかに
鳥居峠にむかって登っていきます。その両側には、いまも昔ながらの家並みが続き、国の重要伝統的
建造物群保存地区の選定を受けています。
 間口が狭く奥に深い出梁(だしばり)造りの家々、情緒ある千本格子や3枚蔀(しとみ)の外観をもつ
京風のくぐり戸、裏庭まで続く通り土間など、街並みの自然な心地よいリズムを感じることができました。
 興味深かったのは、お店の主で保存活動の中心的立場の方のお話でした。都会から来た人や
学生さんの中に、「このような暮らしは大変ですね。」ということを言う人がいるそうです。彼は「その
ような人は、コンクリートのマンションの暮らしが最高で、それが当り前と思っている人達。いくら
観光とは言え、何もわかっていない人には来てほしくない。」とまで言いきっていました。
 確かに街並み保存のためには、住民の計り知れない知恵と信念とエネルギーによって成り立って
いる訳で、その人達は、私になんかわからない特別な何かを持っているように感じました。
 実際にそこに住む人達の生活・暮らし方、ご商売、住民同士のコミュニティー、祭りなどの風習、
観光化、そして保存の意義、などいろいろと考えさせられた1日でした。
ぜひ訪ねてみて下さい。松本からはすごく近いですよ。 (林 隆)

 所員の独り言
 現場は生き物だ。なんてことを現場で働いているときに感じたことがあった。
毎日姿を変えながら次の工程へと進んでいく。今はまだこの生き物に振り回されっぱなしの私ですが、
これだけはと肝に銘じていることがあります。それは、
この大きな生き物を生かしてお施主さんに渡すのも、
殺して渡すのも、全ては関る人たち(お施主さん、設計家、施工業者)の信頼関係次第だということです。
どれだけすごいものができたとしても、最後に関った人達全員で喜べないと、
本当に良いものができたとはいえないと思うからです。
そんなことを考えながら日々頑張っています。 (村山 崇)


 No.13 (2001.06.25)   『北アルプスを望む家』
 『北アルプスを望む家』(南安曇郡豊科町)の実施設計が終わりました。
敷地は、高台にある西向きの傾斜地で、西側隣地には何もないため北アルプスを一望
することができます。そんな敷地の特性を最大限に生かし、「西側の眺望が命」という家です。
 LDKを2階に設け、西向きの大きなバルコニー(7畳大)、そこに面する居間の開口部は、
3.2m幅が全開にできます。遊びの要素としてバルコニーの天井に滑車を付けて、ロープを使い
地上から2階へストーブの薪などの荷物を持ち上げる細工もしました。
 1階は西向きに眺めのいい浴室、土間1(玄関)・土間2(物干し場)・土間3(倉庫)という
一体となった土足エリアをもっています。
 外観は敷地の稜線に合わせた片流れ屋根のシンプルな形態で、総2階の箱です。
今年の12月が竣工予定です。 (林 隆)

 所員の独り言
最近計画当初からかかわった物件が立て続けに2件実施設計が終了しました。
元々現場で働いていた私にとって、お施主さんと直接向合える設計という仕事はとても興味深く、
いかにして自分にとって住みやすい家を造るか、というお施主さんの一所懸命さが直接感じ取れるというのは
現場とは全く違ったやりがいを私に与えてくれます。
また、良い住宅というのは、人それぞれ全く違った形であらわれます。
それを正確に感じとってモノを創るという仕事が
今、私にとっておもしろくて仕方がありません。 (村山 崇)


 No.12 (2001.06.18)   『内田の家』
 『内田の家』(松本市)の実施設計が完了しました。幹線道路からよく見える場所に建つ
住宅の建て替え計画で、機能性を検討した結果、ほとんどの部屋が1階で寝室のみが2階
という構成になりました。
そこで考えたことは、寄せ棟の大きな屋根にして中央部にできる小屋裏空間を使って2階の
部屋を確保することにより、外観的には”平屋の大きな屋根”に見せる、ということでした。
平面形を3対2の比率の長方形にすることにより陸棟と隅棟の平面的な幅が同じになり、どの
方向から見ても落ち着いた表裏のない表情になるのではないかと、期待しています。
 いぶし瓦の大屋根が、どのような新たな風景を創ってくれるのか今から楽しみです。(林 隆)


 No.11 (2001.06.11)   『信州の家具・木工展』
 先週長野市にて、信州木工会主催の「信州の家具・木工展」ガ行われ、見に行って来ました。
多くの展示物があり、機能性・デザイン・色調・コストなどさまざまでしたが、興味深かったのは
地元の天然素材を使った食卓テーブルや椅子でした。日頃の実務の中で、住空間の構想段階
から家具のイメージも膨らませることができて、家具職人の方ともご相談ができればいいなあ、
なんて改めて感じました。
 建築も家具も、地元の木材を使い地元の職人さんに造っていただくことができれば、理想かも
しれませんね。 事務所にも大きな打ち合わせ机がほしい! (林 隆) 



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