今週のコラム バックナンバー(No.30〜No.21) 


 No.30 (2001.10.23)  『イベントは大盛況に終わりました』
 10/21(日)のオープンハウス(茅野市)には、15組30名の方が参加して下さいました。
 現在工事中または設計中でお世話になっていますお施主さん、これから家づくりを検討されている方、
設計の仕事をしている仲間達、他の現場でお世話になっている施工関係の方、など本当に多くの方々に
せっかくに日曜日、また遠い所からお越しいただきまして、ありがとうございました。
時間限定であったため、ゆっくりお話もできずに大変失礼致しました。
 10時までに、玄関前に枕木のセッティングをしてくれた造園設計家のF君、ありがとうございました。
だいぶ雰囲気がよくなり効果は絶大でした。。
 当日ご協力をいただきました施主のNさん、ありがとうございました。きれいなお花、助かりました。
その日の3時からお施主さんと竣工検査を行いまして、10/25には写真撮影を行います。そしてまもなく
お引渡しを迎えます。 (林 隆)


 No.29 (2001.10.15)  『竣工します
 トップページでもご案内していますように、「八ヶ岳を望む家」(茅野市・蓼科高原)が竣工します。
3間×5間=15坪、ロフト9坪、計24坪の週末住宅で、家中がワンルーム感覚の開放的な
プランになっています。内装の珪藻土はお施主さんが自ら、9月の3連休に塗られました。
(コラム、No26にて紹介しています。)
お施主さんのご理解をいただきまして、Open Houseを行います。
秋の行楽を兼ねまして、ぜひお越し下さいませ。お待ちしております。
10/21(日)、10:00〜15:00です。詳しい場所はトップページにてご案内しています。 (林 隆)

 No.28 (2001.10.09)  『秋の三連休
 祭日が土日とつながっての三連休、いかがお過ごしだったでしょうか。私の三日間はこんな感じでした。
 10/6(土)午前、「北アルプスを望む家」のお施主さん、Siさんご夫妻と現場にて打合せをしました。
設計では、ロフトの居間に面する部分の一部が壁だったのですが、その部分を建具にすることにより
開放感が増すのではないかという検討を実際に現地で行うことが目的でした。図面上では把握しにくい空間
の構成が、現場で考えることにより具体的にイメージでき、その部分の設計変更を行うことになりました。
 10/6(土)午後、今年の5月まで事務所に在籍していた清水君が、静岡から遊びに来てくれました。
約半年ぶりだったのですが元気そうで、アッという間に時間が過ぎてしまいました。発売になったばかりの
SONYのサイバーショットを見せてもらいましたが、旧型よりすごく薄くなっていてすばらしいデザインでした。
 10/7(日)、軽井沢の別荘の増築を計画されているNさんと、現地でお会いしました。まだ相談の段階で
して、ご縁があることを期待したいと思います。もう紅葉が始まっていまして、連休の中日とあって道路は
かなりの渋滞、帰路は暗さと眠さのため丸子へ抜ける道の分岐を見逃してしまい、気がついたら上田の市街
へ向かっていてだいぶ遠回りをしてしまいました。カーナビが一層ほしくなったのですが邪道でしょうか。
 10/8(月)午前、これから土地購入と住宅をご計画のSaさんが事務所に訪ねて来て下さいました。
建築主と設計事務所による家造り・設計と施工を分離することの特徴などについて、説明をさせていただきました。
 10/8(月)午後、設計中のKさんご夫妻と工事中の「北アルプスを望む家」を見学に行きました。今後仕上げを
すると隠れてしまう部分もご覧になっていただくことができました。棟梁のAさん、お休み返上でお仕事を
していただきまして、お疲れ様でした。その後、事務所に戻りまして打合せを行い、昨日をもって基本設計が
終了しました。
 多くの方とお会いしました。お休みのところありがとうございました。(林 隆)

 所員の独り言
 先週、1級建築士の試験の勉強のために、日建学院という塾のようなところに行く申し込みをしてきました。
先月受けた2級建築士の合格発表もまだという中で、2級のように独学でやるか迷ったのですが、
ここは確実に取っておきたかったので決めました。今月末から授業が始まります。
まあ、継続的にきちんと勉強をしていくということに関しては効率的なやり方ができると思っています。
それでは、7月の試験に向けて一歩スタートしようと思います。(村山 崇)


 No.27 (2001.10.01)  『メディア』
 信毎ホームページ大賞の結果が発表になりました。林建築設計室のHPが一次審査通過作品には
選ばれていたのですが、残念ながら最終選考からはもれてしまいました。しかしWeb一般投票において
20作品中、2位になることができました。多くの方々から応援・投票をしていただきまして、本当にありがとう
ございました。また多くの励ましのメッセージもいただきまして、大変感謝申し上げます。今後も、常に新しい
情報を発信し、少しでもお役に立てるHPを目指していきたいと考えております。
 話は変わりますが、リビング信州(信濃毎日新聞社)という雑誌が9/29から発売になっております。私どもの
事務所で設計監理しました「黒い箱の家(茅野市)」が掲載されています。インターネットがご縁で知り合った方
の家で、設計から竣工までのプロセスや写真が「自然に囲まれて暮らす」というテーマのもとに、5ページに
わたって紹介されています。また、広間の内観写真が表紙にも使われていますので、ご覧になってみて下さい。
 この週末は、高橋選手やイチロー選手の世界に誇れるすばらしい記録が生まれ、とても感動的でした。その
一方でとても残念だったのは、近鉄のローズ選手の敬遠。堂々と闘わずして何の為に40年も前の記録を守ろう
とするのか私には理解できなくて、世界と日本との違いを感じてしまいました。 (林 隆)


 No.26 (2001.09.25)  『珪藻土塗り』
 9/22・23・24の連休に、八ヶ岳を望む家(茅野市・蓼科高原)の内壁に珪藻土を塗りました
お施主さんご家族、知り合いの応援の方、施工者の監督さん・営業の方、設計事務所だけでの
挑戦です。
原材料・コテ・バケツ・養生テープ等を購入し、左官屋さんからは攪拌機などの機械をお借りし、
最初の2時間くらい技術指導をしていただきました。 大きく分けて下塗りと上塗りの2工程があり、
合計で厚さ3〜4mmくらいが目標です。
 初日の午前に準備や養生が終わり、午後からいよいよ下塗り開始。ところが大変!均一に隅々
まで塗るには、プロの左官屋さんのようにはいかず、時間ばかりどんどん過ぎて、あっという間に
夜になってしまいました。3日間で終わらなかったらどうしようと、真剣に相談しましたが、結論は
「できるところまでやるしかない。」 初日は下塗りが家全体の約半分までというところ。
 2日目はお二人の助っ人が加わり、多少の慣れもあり、14時頃下塗り完了。夜までには上塗りが
家全体の約半分まで終わりました。そして3日目、夜までかかって上塗り終了、というかなりハードな
工程でした。
 私は2日しかお手伝いできなかったのですが、実際にコテを持つのは始めての経験でとても苦労
しました。私が塗った部分はかなり荒っぽくなってしまいましたが、手作業ならではの質感はここから
生まれるのだな、ということを実感できました。更に壁際のチリ(壁と巾木・柱・額縁との段差)や設備
類の納まりなど、今後研究していくべき課題もいくつか発見でき、とても新鮮で有意義な体験をさせて
いただきました。
 大変なことは承知の上でこの決断をされたお施主さん、これで将来のメンテナンスも万全ですよね。
建物をすごく大事にしていただいて、私も嬉しく思いました。
 お施主さんのご両親、横浜からお出でいただきお疲れ様でした。お父様の美しさへのこだわりは
NO1でしたね。
 助っ人のご夫妻。自らのログハウスを建てられたくらいですから、さすがでした。ご協力がなければ
終わらなかったと思います。
 施工者の監督Aさん、段取りよく下準備を全部して下さいまして、本当にありがとうございました。
設計者と施主のわがままに、ご協力いただきまして感謝申し上げます。
施工者の営業のGさん、いろいろな調整そして3日目はフルに活躍して下さいましてありがとうござい
ました。
 多くの方々のご協力をいただいて、壁の内装工事が終わりました。10月下旬の竣工が楽しみです。
(林 隆)

 所員の独り言
 23日に2級建築士の2次試験(製図)を受けました。1次試験(筆記)からだと約1年がかりの挑戦でした。
木造についての試験は木造建築士の他にはこれだけなので、どうしても取りたいという気持ちもあり、
自然と気合が入りました。しかし、いざ勉強を始めてみると私の気合だけではどうにもならず、友人や知り合いの
助けを借りながらの勉強でした。大学時代に学んだことを全て覚えていれば、勉強し直すことは殆どないはずなのに、
参考書に出てくる問題全てが、まるで初めて解く問題に見えてしまうほど見事に脳みその彼方に葬り去られていました。
それらの記憶を一つ一つ蘇生させていく作業には、一度覚えたことも日々の努力を怠れば、あっという間に知らないことへと
変貌してしまうということを、改めて実感させられてしまいました。
 今は、やっと終わったということで一息ついていますが、早いうちに気持ちを切り替えて、
日々の努力を怠らず頑張っていきたいと思います。
(村山 崇)


 No.25 (2001.09.17)  『住宅の現場』
 現在、工事監理をしている次の現場が進行中です。
@八ヶ岳を望む家(茅野市・蓼科高原)
A諏訪の家(諏訪市・四賀)
B北アルプスを望む家(豊科町・光ニュータウン)
C内田の家(松本市・内田)
4件の工事の進捗状況は、HP内の「現場紹介」にてリアルタイムにご紹介しています。
構造や性能に関わる、竣工時には見えなくなってしまう部分の工事が行われていますので、
現場見学をご希望の方はご連絡下さい。
お施主さんの了解を得まして、ご案内させていただきたいと思います。(林 隆)


 No.24 (2001.09.10)  『普請の顛末』
 今週は一冊の本をご紹介させていただきます。
昨日の新聞に紹介されていました、柏木博・中村好文著 「普請の顛末」 (岩波書店・2200円)。
以下はその紹介文の一部です。
「・・・・・・デザイン史家と建築家が、一軒の家づくりを通じて、施主と設計者双方からの解説を
入れ代わり立ち代り語った格好の住宅入門書。・・・・・・柏木さんは建築家に自宅の設計を依頼
するという難しい課題からはじめて、建築の完成までを述べている。中村さんは建築設計事務所
なるものの実情を読者に親しめるように解きながら、家づくりをどのように住み手とつくり手の共同作品
としていくかを教えてくれる。・・・・・・特に工事進行の現場で二人がそれぞれに、これでいいのかと
迷いながら決断を下していく率直な記述に、かえって学ぶところが多い。もう一つ、類書と違う最大の
ポイントは、建て主も建築家もお互いをよく知り、礼儀をもって対していることで、家づくりとは何かを、
あらためて深く考えさせてくれるのである。昨今の家づくりに最も欠けているのは、そのことだ。
この本は、屈折したそれぞれの自己主張や、出来上がった家に対する不満、でなければ過剰な
自己満足などとは無縁だ。押しつけがましくなく、さっぱりと、だから良い家がそこにある。
(植田実・建築評論家) 」
 実は私はこれから読むところで、すごく楽しみです。
松本の平安堂には9/13に入荷予定だそうです。 (林 隆)


 No.23 (2001.09.03)  『新宿の雑居ビル火災』
 ビルの中の居酒屋などに行っても、最初に避難経路を確認することなんてありますか?
私は今までまったくありませんでした。
 先週は新宿・歌舞伎町で大変な惨事が起きてしまいました。
火災の原因はこれから明らかになってくると思いますが、建物の避難計画が機能しなかったことは
とても残念に思います。もともと小規模なペンシルビルは、階段の数は少なく廊下の幅が狭くても
許可になります。面積効率を優先すれば、最低限の規準をギリギリで満たすことになり、そんな建物の
廊下やバルコニーが物でいっぱいになっていては、人間は逃げようがありません。
 消防法や建築基準法で、避難方法については多くの定めがありますが、それはあくまでも最低限の
基準で安全を保証するものでは決してないということ、そして建物の所有者が日頃の安全管理に
目を向けることがいかに大事か、ということを痛感しました。
 私達設計者は、特殊建築物(不特定多数の人が集まる施設)の計画をする際には、機能やデザインを
突き詰めていくと、法規が邪魔をすることがよくあります。ある意味で法規の解釈についてはお役所との
闘いでもあります。しかし現実に、多くの犠牲者が出てしまったわけで、建築設計に携わる者として、
いろいろなことを考えさせられました。原因究明と再発防止策、そして法規の強化を考える前にいかに
「危ない建物」が多いかという実態調査が急がれます。二度と起きないことを祈ります。(林 隆) 


 No.22 (2001.08.27)  『木造住宅の棟上げ』
 先週は2件の住宅が棟上げを迎えました。
柱と梁が組み上がり、屋根下地の垂木まで掛かった骨組みだけのその姿は、在来木造軸組み工法の
建築がとても美しく見える瞬間です。すべでの木材が構造的な役割を果たし、その1本1本の線が
建物全体のフォルムを形成しているのです。
建物は骨組みだけですので、夕暮れの景色が透けて見え、そしてこの瞬間から新しい風景がその地に
生まれるわけです。私にとってこの上棟は、今まで図面や模型で検討してきたすべてのことが
原寸の形になって目の前に現れ、ふたつのことの検証ができる感動的な1日です。
そのひとつは建物そのもののプロポーション。もうひとつは周囲の景観とのバランスです。
 「諏訪の家」は住宅密集地に建つ建替え計画。敷地の有効利用と前面道路に段差がある関係から
3階建てです。各階の高さをできるだけ低くおさえて、周囲の街並みから突出しないように意図したの
ですが、予想どおり違和感がなく感じられました。また内部空間は、3階の天井高が隅の方で2m以下
なのですが、心地よい空間になりそうです。
 「北アルプスを望む家」は、新しい住宅団地内に建つ2階建て。国道から少し見上げる位置にあり、
かなりの遠景からも建物が確認できる立地です。ということは室内からの眺望は抜群で、その眺望を
最優先したプランは正解だったと再認識できました。住宅地全体が傾斜地であるため、片流れ屋根の
シンプルな形態と地形のラインがうまく呼応して、外観の主張が強すぎることなく落ち着いて見えました。
 2件とも個性的な外観ですが、機能がそのまま形態に直結しており、合理的で無駄がなく力強い印象を
与えてくれました。 (林 隆)


 No.21 (2001.08.20)  『日本におけるイタリア2001年』
 今年の3月から約1年間開催されています 「日本におけるイタリア2001年」
古くまた新しい国イタリアが、日本に向けて発信する「歴史と最先端のイタリア」を紹介し、
美術・音楽・科学・デザイン・映画・演劇など、イタリアに関するさなざまなイベントが全国各地で
行われています。

 そのイベントのひとつ 『イタリアと日本、生活のデザイン展』 と 『ムゼオ アルファ ロメオ』が、
横浜・みなとみらい、パシフィコ横浜にて行われていて、どうしても見たかったので少し無理をして
トンボ帰りで行ってきました。
 『イタリアと日本、生活のデザイン展』は、イタリアのライフスタイルに大きく影響をもたらしている
「デザイン」を通じて過去、現在、未来のデザインの精神と神髄、そして生き方を紹介する展覧会。
車など大きなものから日用雑貨の小物まで350点余り。特に印象深かったのは「真赤な椅子」。
どこかで見たことがあるな と思ったのですが、淡路夢舞台・ウエスティンホテル(安藤忠雄氏設計)
の2階ロビーにあったものと同じものでした。ちょうど1年前の夏に、色とデザインのすごさに驚いた
のですが、まさかまたお目にかかれるとは思いませんでした。
この展覧会は日本とイタリアの共同プロジェクトであり、総合監修はイタリアのミラノ工科大学教授の
アンドレア・ブランジ氏、会場構成は世界的に活躍する日本人建築家、伊東豊雄氏が担当したそうで、
個々の作品はもちろんですが、それを展示する全体の空間の使い方がとても興味深かったです。
この展覧会は、神戸・六甲アイランドで9/1〜9/30まで開催される予定です。
 『ムゼオ アルファ ロメオ』は、アレーゼにある「アルファ・ロメオ博物館」から20台余りが運ばれ
てきて、アルファ・ロメオの歴史を紹介するもの。アルファ最初の自動車である1910年製造の
「24HPTorpedo」から最新のアルファ147(今秋発売)までが勢ぞろいし、貴重な名作の数々に
目を見張るものがありました。
1966年製造の「spider デュエット」は1994年まで生産された「スパイダー」(オープン2シーター)
の原型で、独特の美しいラインを目の前で見ることができ、伝統に裏打ちされたスタイルと技術の
奥深さを、改めて感じました。
 駐車場や周囲の道路にも新旧ALFAがあふれ、”好きな人達”の熱狂ぶりにも触れることができて
なぜかおかしかったのですが、私もそのひとりだったのかもしれません。
さすがに「松本ナンバー」は他にいませんでした。 (林 隆)


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