今週のコラムバックナンバー(No.250〜241)


NO.250 (2006.06.28) 『「季節を感じる家(安曇野市)」上棟』
 施主さんに紹介されてはじめて敷地に立った時、各方向への眺望の考え方と、
近い将来建つであろう隣家を想定しての敷地全体の利用計画がポイントになると思った。
・安曇野の大自然・田園風景・アルプスの眺望・四季の変化。
・季節や時間によって変わる光の入り方や風の流れ方。
・庭に予定している植栽は、毎年確実のその季節の表情を見せてくれる。
・敷地の一角で予定している畑仕事、そして収穫。
  ・・・・それらは事象は、暮らしていく上での付加価値であって、
移りゆく季節の変化を毎日感じることができたら、何と幸せなことだろう。
 2階のリビングには、南面と北面に大きな開口部を設けている。 
6/24の上棟の日、屋根のかかった2階に立つと、初夏の爽やかな風が流れていた。 (林 隆)

所員の独り言
 「住まい」の中で気持ちいいなあ、と感じる瞬間をいつ頃感じた記憶と同じだろうか
とふと考えてみた。おおらかに包み込む空間、心地よい通り抜ける風、爽やかな光、
潤いを与えてくれる緑・・・と、子供の頃に生活した住まいや環境の記憶ではないかと思った。
 住まいづくりの中で沢山のお子さんたちに出会う。そのお子さんたちが大人になったとき、
「子供の頃住んでた家は気持ちよかったなあ」と思ってもらえる家、
理想となる居心地の良い「住まい」を目指し設計に取り組みたい。(長岡 信行)

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NO.249 (2006.06.21) 『「対比する家(安曇野市)」上棟』

 森の中に建つこの家は、相反する様々な要素をどう解釈していくかがテーマだった。
内と外、無機と有機、光と影、開放と閉鎖、面と線、白と黒、ガラスと壁、家族と個・・・・・が対比する。
一間(1820mm)モジュールの繰り返しによって、シンプルな箱型空間が構成されている。
 6/20の上棟の日には、南に向かって開く7間巾の開口部から爽やかな風が入り、
セミの声が聞こえてきた。 (林 隆)  
   
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NO.248 (2006.06.15) 『「通り抜ける家(松本市)」上棟』
 6/12に土台を敷き、6/13から建て方が始まった。総2階の建物の2階の約1/2が吹抜け、
その吹抜け部分が居間・食堂というシンプルな構成。各階高を低く押えているため、
建物全体が低く見える。建築は必要以上に高くない方がバランスがいいので、
いつも低く低くと心掛けている。細長い平面型の居間・食堂は、二方向に向い合う形で
開口部をもち、一方向はアルプスを望むことができ、もう一方向からは太陽光を導き入れる。
そこはまさに、風や光や視線が”通りぬける”ようなイメージの空間。
敷地は角地、いろいろな角度からよく見える場所にその姿を現わした。
秋の竣工時には、黒のガルバリウム鋼鈑に覆われる。 (林 隆)

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NO.247 (2006.06.06) 『先週は』
早いもので、もう6月。先週一週間の現場打合せ・設計打合せなどはこんな感じでした。
5/29(月) 朝:事務所内ミーティング
        午後:「凝縮した家」現場打合せ(施主さんと会う)
5/30(火) 午前:施工会社と打合せ
        午後:現場へ配筋検査(構造設計者・中空スラブメーカーと打合せ)(施主さんと会う)
        夜:現場打合せ(施主さんと会う)
5/31(水) 午後:「庭を内包する家」現場打合せ(施主さんと会う)
        夜:Aさんと設計打合せ
6/1(木)  午前:「見わたす家」現場へ(杭工事開始)
        午後:大町へ1年検査(施主さんと会う)
           「対比する家」現場へ(基礎工事完了)
           「季節を感じる家」現場へ(基礎工事中)
6/2(金) 午前:塗料メーカーと打合せ
       夕方:Taさんと設計打合せ
6/3(土) 午前:Tuさんと設計打合せ
       午後:「凝縮した家」現場打合せ(施主さん・庭工事の方と会う)
6/4(日) 事務所にて考え事・いろいろなところへ電話
6/5(月) 午前:事務所内ミーティング、 設計相談の方と面談
       午後〜夜:JIA建築家協会の会議
6/6(火) 午後:ブラインドメーカーと打合せ
       夜:現場打合せ(施主さんと会う) 
      
設計監理の仕事は、机に向かって考える事以外にも、
いろいろな立場の人達と会って、相談して、考えて、知恵を出し合って、
進んでいくこともたくさんあります。 
(林 隆)  

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NO.246 (2006.06.01) 『住宅のディテール』  
 というページを更新しました。建築の部位毎に実例写真で紹介しています。
<外部空間>
ガレージ、中庭、庭、デッキ/バルコニー、玄関/アプローチ、外壁-ガルバリウム鋼鈑、
外壁-左官塗り壁、外壁-板張り
<内部空間>
階段、吹抜/ロフト、タイル、キッチン、洗面/浴室、開口部、障子、薪ストーブ
という構成。
個々の写真を見ると、設計段階でのストーリーが蘇ってきます。
徐々にページを充実させていく予定です。 (林 隆)   


 また、従来からあった「無料建築相談」のページですが、事情により休止させていただきました。   
------(以下、ページからの抜粋です。)------
 1998年にホームページを開設して以来、継続してまいりました。
当時は、家づくりや暮らし方そのものに関わるご相談が多かったのですが、最近はトラブルや
施工不良に関するご相談が非常に多くなりました。それらにつきましては当事者間の複雑な
人間関係にまで話しが及んできますので、いち設計事務所として一般論でお答えしてもあまり
意味のない事となってしまいます。
 ご相談の内容の傾向が変わってきたことは、これも時代の流れであり、まさに今の建築業界の姿を
象徴してもいます。また急速なインターネットの普及によってお気軽にメールをいただけるようになった、
という部分もあろうかと思います。本来でしたら、いろいろな面で何らかのお役にたてればいいのですが、
責任のあるお答えをするには限界がございます。
 そのような背景から、大変残念ではございますが、このページの「無料建築相談」を休止させていただきます。
あしからずご了承下さいますよう、よろしくお願い致します。
ご相談内容によりましては、お答えできなかったこともありましたことを、お詫び申し上げます。
2006年5月26日  林建築設計室  林 隆
(以下は今までのページです。何かの参考にしていただければ幸いです。)

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NO.245 (2006.05.23) 『週末はいろいろ』 
 5月は、3週連続で週末に関東方面へ出かけた。
連休に家族でドライブ、親戚のお見舞い、そして残念なことに葬儀と続いた。   
高速道路・都内の渋滞・芦ノ湖スカイラインなどを走ったが、GOLF・GTIの乗り心地は、
後席に乗る人によってだいぶ評価が違うので興味深い。 (林 隆)   


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NO.244 (2006.05.17) 『工事中の家』 
 あっという間に大型連休も終わり、一週間が過ぎた。
この春着工の建物は、現在基礎工事中であったり着工準備中であったりと施工段階へ
移行している。現場では工事が着実に進んでいるが、それと同時に骨組み(柱や梁)となる
材木が準備され工場で加工がはじまる。建物の特徴により、プレカットであったり手加工
であったり、またそれらの併用であったりする。施工会社の監督さん、大工さん、プレカット会社
や材木供給会社の担当者などと施工図をもとに打合せを行なって詳細をつめていく。
細かい作業ではあるが、上棟に向けての大事な準備段階でもある。
 今年完成する何軒かの家には薪ストーブが設置されるが、オリジナルデザインの製作品
で考えている。先週は、作家とその最終的な打合せを行ないデザインの方向性が決まってきた。
ストーブを置く場所の後ろは壁ではなくて開口部にして、居間のベストなポジションから外の冬景色
とストーブの炎をいっしょに見たい。放熱と遮熱方法、デザイン、炎の見え方など新しいものを
考えている。 (林 隆)

所員の独り言
「もの」を「つくる」という行為の中でも、建築行為はかなり特殊なものだと思います。
周囲の環境、建築主の生活や未来などを始め、様々なものに大きな影響を与えます。
そんな行為に、専門的な知識や技術を持って、関わっていく立場にいることの責任と
しっかり向き合いながら、日々のやるべきことを考え、行動していく。
当たり前の事だからこそ、常に意識して行動していかないといけないと改めて思いました。
(村山 崇)

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NO.243 (2006.04.25) 『「中庭へ広がる家(松本市)」竣工 』 

 4/15(土)に、竣工引渡しと取扱い説明会が行なわれた。
明快なゾーニングにより、T字型平面の住居部分と独立したガレージ(二期工事)で構成され、
囲まれた中庭がある。中庭は周囲から独立した外部空間であり、配置計画上重要な場所である。
居間・回廊部分・玄関が、大きな開口部を介してその中庭に面し、内部空間の延長として外へ広がる。
 中庭を中心にいろいろな角度で視線が通り、光が入り、風が流れる。 各場所からは、樹木が見え、
花が見え、空が見える。小鳥も来るだろうし、雨や雪も降る。
そんな当たり前の自然を感じ、快適に暮らしていただけることを願いながら、設計と工事が終わった。
(林 隆)

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NO.242 (2006.04.18) 『「凝縮した家(塩尻市)」上棟』 
 4/13、上棟を迎えた。総2階の四角い箱型で、両隣の建物より背が低い。  
家族4人が、合理的に、効率よく、快適に暮らしていくためには最小限何が必要であるかを、
施主さんと共に考えた。
 コンパクトではあるがハイスペックであり、、ミニマムな空間創りへの挑戦でもある。 (林 隆)

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NO.241 (2006.04.15) 『お休みをいただきました。』
 体調をくずしまして、4/6〜4/12のちょうど一週間、入院していました。
急に気持ちが悪くなり病院へ。急性胃腸炎による腸管麻痺とのことで、
腸の機能が止まっていて即入院。
2日間は鼻から胃に入れたチューブによる排出、4日間は絶飲食、
6日間は24時間ずっと点滴の連続、というような治療をしていただきました。
今は体力と体重が少し落ちていますが、何とかおかげさまで回復できました。
施主さんをはじめ多くの方にご迷惑をおかけしまして、大変申し訳ありませんでした。
(林 隆)

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