今週のコラム バックナンバー(No.70〜No.61)


No.70 (2002.08.05) 『上棟(御岳山を望む家)』
 先週の土曜日、「御岳山を望む家」(岐阜県・すずらん高原)が上棟を迎えました。
敷地は別荘地の一角で、緑に囲まれた緩やかな斜面になっています。
基礎部分を鉄骨造で持ち上げてフラットな架台を造り、その上に木造の建物が乗っている
構成です。
強風・多雪・キツツキの被害など過酷な環境にあるため、外部の仕上げには
思いきって強固な素材を選定しました。
切妻の屋根と軒裏はガルバリウム鋼鈑葺き
(素板のシルバー色)、外壁もガルバリウム鋼鈑葺き(黒色)で、緑の木立の中に
”黒いシンプルな箱”が浮いているイメージです。
 私ごとですが、夏のこの時期に建築士養成の学校で設計製図の非常勤講師をしております。
昨日から
はじまりまして、盆あけの8/18〜9/23までの1か月間、毎日曜日授業があります。
従いまして大変申し訳ございませんが、今お世話になっていますお施主さんとの設計打合せや
現場打ち合せは、
日曜日以外の日にお願いできればと思います。何とぞよろしくお願い申し上げます。
また、8/5〜8/7の3日間、夏休みをいただきます。
事務所は2人のスタッフにより営業して
おりますので、
よろしくお願い致します。(林 隆)

所員の独り言
 来週から盆休みに突入します。今回は土日が絡んでなかなかの大型連休です。
とりあえず大学の頃の友人に会いに行きたいと思っています。一緒に
飲んで、笑って、騒いで、酔って、そのままざこ寝、なんていうできそうでできない
バカなことをやれる数少ない友人と会ってエネルギーを補充してきたいと思います。 (村山 崇)

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No.69 (2002.07.29) 『上棟(みどり湖の家)』
 先週土曜日、「みどり湖の家」(塩尻市・みどり湖団地)が上棟を迎えました。
新しい住宅造成地のため、近くで同時に何軒もが工事中ですが、そのほとんどが
プレハブ系の住宅で、木造在来工法は少ないという
珍しい状況です。
真夏の外の工事は大工さん達も大変ですが、三日間で屋根の断熱材と防水下地まで
できあがりました。大変お疲れ様でした。
 片流れの勾配屋根が特徴で、内部はその勾配なりの斜めの天井の吹抜け空間
1階は居間の吹抜け、2階はロフト)になっています。
外観は、しっくい壁の白色と腰壁板張りの黒塗装のシャープな対比を表現し、
雑然としがちな新しい住宅地に、落着いた白黒モノトーンの表情を演出しています。
年末竣工予定です。 (林 隆)

所員の独り言
 この時期、夏祭りが各地で行われています。沿道は提灯で飾られ、神輿や露店が出ていると
心の高揚を感じます。町は、しめ縄などの飾り物などで祭りの雰囲気へと変わり、非日常の風景
になります。住宅を建てる際に、地鎮祭や上棟式等の式典がありますが、そこでもしめ縄や竹などで
四方が囲われ、非日常の式典の場が作られます。
建築設計をする場面で、あれやこれやと多くの
内容を盛り込んだデザインをしがちですが、最低限のモノでデザインし、空間を構成する事も
重要ではないかと思いました。 (長岡 信行)


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No.68 (2002.07.22) 『リフォームについて
 最近、住宅のリフォームを取り上げるテレビ番組が多くなってきたように思います。
日頃テレビはあまり見ないのですが、日曜夜8時テレビ朝日系の「ビフォー・アフター」という番組は、
思わず見てしまいます。”匠”と呼ばれる建築家が現れ、現場での思考錯誤を繰り返しながら問題のある家を
よみがえらせていく、というストーリー。大胆な発想・コスト・工事期間・そして最後に家族が喜ぶ姿など
興味深く、「なるほどな」と思うこともあります。
 このような番組で取り上げている住宅は、特殊な例でかなり大胆な工事かもしれませんが、新築だけでなく
”リフォーム”にも大きな可能性があるということを教えてくれています。
 現在工事中の「守り続ける蔵」(松本市)は、大正時代の建築で壁も屋根も傷みがひどく大変な状態でした。
わずかに傾斜していた柱を垂直に直し、今現在 屋根の瓦を新しく葺き替えています。その後外壁の工事、
内部の仕上げ工事と進む予定で、11月には喫茶店として生まれ変わります。 (林 隆)

所員の独り言
 よく「目的と手段」という話があります。「最初の目的を忘れいつの間にか手段が目的になっていた」という話、
「目的のための手段を考えるばかりで行動に移せない」という話、「定まった目的もなく闇雲に動いている」という話、
まあ挙げれば色々ありますが、つまりは最初の目的を定めた時の「意志」と、そこに向かうための「行動力」が
一本の道で繋がってこそ「成功」ということになるのではないでしょうか。
 なんだか家を建てるという行為にもあてはまるような気がします。 (村山 崇)

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No.67 (2002.07.15) 『塩尻町の家、竣工しました』
 昨年11月から工事をしていました「塩尻町の家」が竣工しました。
真南が道路に対して45度ふれている敷地の特殊性を生かした配置計画により、LDKの前に囲まれた庭を、
そして玄関アプローチを兼ねた3台分の駐車スペースが確保できました。
 家の中心となる居間・食堂・台所のつながり方に特徴があります。一体空間であり天井はつながっていますが、
3つの空間が少しづつ独立性をもっています。平面的な広さ・天井の高さ・光の入り方・外部とのつながり方、
視線の通り方などは、ほぼ設計段階でイメージしていた通りでした。
 流しの正面は、高さ 1800mmの石の自立壁で、その壁に付く黒い横長のものは、オリジナルの照明です。
一枚の鉄板を加工して浮いた感じに納め、その裏側に蛍光灯が入っています。鉄板部分には調理に使う器具
を掛けることができ、紙類を磁石でおさえて貼ることもできます。
 外壁は、左官屋さんの技による土壁風の塗り壁(横櫛引き)仕上げです。いくつかの色とコテのパターンの
見本を造っていただき、工事中の壁に当ててみて決定しました。
塗り壁と木部とのバランスにより、家全体の
雰囲気は ”優しい感じ”です。外構工事として庭に3本、玄関前に1本の木を植えました。シンボル的な樹木と、
建物の足元に植えた低木の効果は大きく、建物を更に美しく演出してくれました。玄関アプローチと駐車場部分の
床は、土の質感を残しつつ固まっている仕上げです。造園屋さんと相談した結果、有明の砂とコンクリート
を調合して固めるという新しい工法を提案していただきました。
 建築の設計は、建物だけでなく外部空間のあり方も同時に考える必要があり、そのことは建物と同じくらい
重要です。「建物を配置して余ったスペースが庭や駐車場」 ということではなく、「庭や駐車場がこうありたいから
建物の配置はこうなる。」という考え方の方が、明快な敷地のゾーニングができることもあります。今回の
「塩尻町の家」はそのケースで、建物の配置に大きな特徴がありました。  (林 隆)

所員の独り言
 いつも使い慣れているシャープペンシルがあります。お気に入りの鉛筆やペンが次第に増え、
いつしか筆入れがパンパン。昔使っていた学習机の中を見てもガラガラと転がり、それらを手にとると
昔の思い出や、その頃の手触り感が蘇えってきます。住空間でも手や肌に馴染む材料として
木や土、石などがあります。それらとともに生き、呼吸しているものだからこそ、
親しみや安らぎを感じ、手や肌に馴染むのかもしれません。身体に馴染む材料を吟味し、
身近に感じる空間を作ってゆきたいです。(長岡 信行)

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No.66 (2002.07.08) 『事務所のインターネット環境』
 遅ればせながら、事務所の各PCからの常時接続が可能になりました。
ADSL専用回線により、今までのISDNよりは少し快適になりました。
スタッフのアドレスは、下記のとおりです。
林   隆   hayashi@h-a.jp (今までどおり)
長岡信行  nagaoka@h-a.jp (新設)
村山  崇  murayama@h-a.jp (新設)
よろしくお願いいたします。
 先週、事務所のホームページが40000アクセスを超えました
多くの方々にご覧になっていただきましてありがとうございます。
今後、「今日の現場」などの充実や、新しいページの追加も考えていきたいと思っています。
「こんな情報がほしい。」「こんなページがあったらどうか」など、ホームページに関するご意見も
いただければ嬉しいです。 (林 隆)

所員の独り言
 最近懐かしい友人が突然電話をかけてきてくれました。内容はいたって簡単なことだけ話して終わりました。
しかし、気分はなんだかすっきりしていました。何年か振りに話しても昔と変らない距離で話すことができる。
簡単なように思えても、なかなかそのような友人は多くはありません。何年後、何十年後にも今と変らず
話せることが当たり前に思えるようにするにはどうすれば良いのかとふと考えてしまいましたが、
何も特別なことはする必要はないんだろうな。というのが結論でした。  (村山 崇)

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No.65 (2002.07.01) 『上棟(ながく住む家)』
 早いもので1年の半分が過ぎ、W杯も終わってしまい、今日から新たな気分で7月を迎えました。
 先週の土曜日には、塩尻市で工事中の「ながく住む家」が上棟を迎えました。
シンプルな総2階の切妻屋根は、階高・屋根勾配・軒の出などに工夫をすることにより、絶妙なバランスを
保っています。幹線道路側から見える外観は、今後の仕上がりがとても楽しみです。
1階天井・2階天井共に梁をアラワシにしていて、
杉材の架構はとても力強く感じます。
周囲の建物との距離感、2階の居間からの景色の見え方、実際の空間の広さなど、上棟を迎えて再認識
できることもたくさんあり、感慨深い1日でした。
 同じく塩尻市の「塩尻町の家」が近日竣工します。見学をご希望の方はご連絡下さい。
詳細をご案内いたします (林 隆)

所員の独り言
 朝方戸を開けると、蜘蛛の巣が出来ていることがあります。設計図もないのに同じ間隔で糸を張り、
小さな体で体の何倍もの巣をつくり、綺麗な幾何学を形作ることに何時もながら感心してしまいます。
糸にメモリがあるのでもなく 、墨出しをしてるわけでもなさそうです。小さな体に潜んでいる力なのでしょうか。
 私たちの身の回りのモノには、必ず長さがあります。私も沢山のモノに触れ、大きさや寸法を体で覚え、
形を作ることに努力してゆきたいです。  (長岡 信行)


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No.64 (2002.06.24) 『アトリエの計画』 
 HAのアトリエを計画中です。
事務所を建ててしまおうと考えた理由は、いろいろあります。
まず第一には、私達の仕事は豊かな空間を提案することですから、働く時くらい今よりは
少しでも良い環境を共有できればいいなと思ったからです。私もスタッフも24時間のうち、
かなりの時間を事務所で過ごしています。その中で空間の構成・光や風・素材・室内環境・
エネルギーなどについて体感できる空間でありたいと考えています。
 そして建主の方に自分達の家に対する考え方を理解していただくためでもあります。
そこで打合せをすれば、大抵のことはわかっていただけるような演出ができないものかとも
思っています。しかしローコストであることも大きなテーマであるため、どこまでできるかは
今後の大きな課題で頭が痛いところです。
 テーマはたくさんありますが、すごく小さなアトリエです。
経過はまたご報告させていただきます。 (林 隆)


所員の独り言
 先日、インテリアショップにカーテン等について相談に行く機会がありました。
カーテン一つにしても開き方から生地の種類、はては材質の種類によって
できるものとできないものがあったりと、かなりの奥深さを感じました。
簡単に「部屋の雰囲気に合せて」なんて言ってみてもどうしたらいいのか
ぜんぜん分かりませんでしたが、ショップの方の熱心な説明のおかげで
だいぶ掴むことができました。カーテン選び一つにしてもこれだけ勉強することが
あると思うと「人生これ勉強」というのも分かるきがしました。 (村山 崇)


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No.63 (2002.06.17) 『”リビング信州”の取材』
 今日は、「みどり湖の家」の地鎮祭が行われました。
新しい住宅造成地の一角で、周囲では何軒も工事中です。
比較的画一化された外観の住宅が多い街並みの中で、白の漆喰壁と黒の腰板壁という
モノトーンの落着いた外観は、どんな表情を見せてくれるのか、今から楽しみです。
 昨日、雑誌の取材がありました。昨年の秋に竣工しました「八ヶ岳を望む家」(茅野市)です。
15坪+ロフト空間という構成のコンパクトな家ですが、オリジナル薪ストーブや手造りの
ロールカーテンも入り、とても奇麗に使っていただいていました。
新緑の高原はとても気持ちがよくて時間を忘れるくらいで、10:00〜15:30頃までかかりました。
編集のHさん・撮影のSさん、お疲れ様でした。
また、お施主さんにはご協力をいただきまして、本当にありがとうございました。
リビング信州2003年版(信濃毎日新聞社)は、11月発売予定です。 (林 隆)

所員の独り言
 ぱっとしない天気の続く梅雨の時期です。日本には、四季折々を絵柄にした花札があります。
 花札は、鉄砲伝来とともにカルタが伝わり、カルタに日本の花鳥風月を織り交ぜて出来たといわれます。
各月ごとに植物と動物とを合わせ、1枚の小さな絵札に日本の季節や自然を現しています。
花札の他に、お菓子やお皿、扇子など日本独特の季節を形や絵にしたものもあります。
気分は優れなくても、日本ならではの気候や生活を楽しみたいです。
 ちなみに今月六月の花札は、牡丹に蝶です。  (長岡 信行)

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No.62 (2002.06.10) 『春着工の現場』
 春に着工して、年末に竣工予定の住宅の現場が、先週は二軒動き始めました。
土曜日に「二棟を行き交う家」、日曜日に「4層コートのある家」の地鎮祭が行われました。
今は土地の上に建物の位置を示すテープがあるだけですが、着実に工事が進みイメージどおりの
建築ができますように、お施主さんをはじめ多くの方々の知恵を力をお借りしたいと思いますので、
よろしくお願い致します。二日共天候に恵まれまして、ご家族・施工者・私共設計事務所で今後の
工事の安全を祈願し、共に年内竣工を目指して工事が始まりました。 
 にわかサッカーファンではありますが、感動的な毎日が続いています。
昨夜は嬉しさのあまり、思わず飲みすぎてしまいました。これがベスト16、ベスト8となったら
日本中のこのお祭り騒ぎはどんなことになってしまうのでしょうか。
いろいろな解説を聞いていますと、こんなに奥が深く頭脳と頭脳との闘いでもあることが少しわかり、
ワールドカップ関連のニュースが楽しみでなりません。 トルシエ監督、カッコいい・・・。
(林 隆)

所員の独り言
 連日暑い日が続いています。そんな暑い日をさらに暑くしてくれるイベントが現在進行中です。
そう、ワールドカップです。1戦目、初の勝ち点獲得と喜んでいたのも束の間、次には初勝利の
感動まで与えてくれました。昨日は思わず友達に電話して、祝杯をあげてしまいました。
これからも一回でも多くの祝杯をあげれるように一生懸命応援していきたいと思います。
ガンバレ日本
! ! (村山 崇)

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No.61 (2002.06.04)  『上棟(デッキを取り込む家)』
 先週末、豊科町で工事中の「デッキを取り込む家」が上棟を迎えました。
2層吹抜け・屋根付きの約15帖のデッキが大きな特徴で、どんな空間になるのか、その日まで
とても楽しみでした。実際に柱や梁が組み上がって、タルキまでが完成しますと、はじめて空間として
私達の目の前に姿を現わす瞬間です。
 その内部とも外部ともいえる中間領域は、平面的には居間と庭とを結んでいますが、
3次元になりますと、1階と2階とを結び、周囲の街並み・遠くの山並み そして空までを結んで、
それらのまわりの空気をデッキの中に取り込もうとしているように感じました。
 図面だけでは表現しにくい空間のつながりが、上棟時にはじめて”かたち”として現れ、
いろいろなことを語っているかのようにも見えます。屋根までのった木造の架構はとても美しく、
夕陽に輝く建物の中で、今後の工事の安全をお祈りしました。 (林 隆)


所員の独り言
朝夕夜とも過し易い、爽やかな信州の季節です。
木々の間から漏れる日差しを浴びながら、小川のせせらぎを聞く。
そんな場所を求めて、方々にドライブをしています。その時に持参するのが、
デジタルカメラ。ちょっと撮影する、改めてその場で確認する。
雑多的な写真を撮る私にとっては好都合な機器です。美しい風景を
撮影していると思いつつ、気になる建築写真が次第に多くなってきます。
結局最後は建築になってしまい、趣味なのか職業病なのかとも思いますが、
これからも美しい風景を探していきたいです。 (長岡 信行)


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