今週のコラムバックナンバー(No.160〜151)


NO.160 (2004.06.29) 箱根
 6/25.26とお休みをいただき、事務所のメンバーと元所員の清水君が合流し、
箱根見学ツアーに行って来た。
@倫理研究所富士高原研修所(御殿場市、内藤廣建築設計事務所)
イベントがあり、外観見学のみ。黒の鋼鈑外壁、シンプルな形態、木構造のデザイン。
Aポーラ美術館(箱根町、日建設計、建築学会賞)
まさに自然環境との共存。すり鉢型構造体の中にそのボリュームのほとんどを埋没。
あいにくの大雨ではあったが、大型トップライトから滝の如く流れる演出を見ることができた。
B箱根プリンスホテル(箱根町、村野・森建築事務所、1978年)
ここで宿泊。濃霧の中で、玄関部分の左右に長く伸びる低い軒先だけが見え、迎え入れてくれた。
インド砂岩の重厚さは、まったく築26年という時間の流れを感じなかった。、
CギャラリーU(湯河原町、伊東豊雄氏の初期の作品)
残念ながら閉鎖されていたが、造形的にはすごかった。
Dフェラーリ美術館(御殿場市)
建築ではなく、展示物が目的だった。徹することはすごいこと。
Eフジヤマミュージアム(富士吉田市、大江匡/プランテック総合計画事務所)
ホテルと遊園地の間に配置され、周辺には新しい遊戯施設が次々に誕生していく特殊な立地。
雪に染まった富士山を連想させる、ニュートラルな白を基調としたさわやかな建物。
 
かなり欲張ったスケジュールではあったが、心地よい疲労が残った。(林 隆)   

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NO.159 (2004.06.22) 
森の小屋(長野市)上棟』
 森の中に「小さな森と小さな家」をつくろう、というコンセプト。
暮らし方を考えた結果、家全体がワンルームで、室内を仕切る建具は玄関と浴室の2本のみという動線計画。
2階のロフト的空間と1階もつながっていて、2階の内部に存在する2本の柱だけで屋根全体を支えている。
そのために屋根の構成としては、強固な面剛性を特殊な金物により確保し、棟部分はスチールのタイバーにより
力を下部構造へ伝達している。シンプルではあるが特殊な構造計画、そして急勾配屋根でもあるため、
建て方から屋根下地までに3日間を要した。
 太陽光発電、オール電化、薪ストーブ、木製サッシを装備し、自然の中で快適に暮らせる住まいを目指している。
10月竣工予定。 (林 隆)


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NO.158 (2004.06.15) 風の流れる家(上田市)上棟』
 この一週間は天気がよく、予定通り6/14に上棟を迎えた。
シンプルな平面型+片流れ屋根の箱型の家。
東西に細長いプランと上下につながる断面計画により、家中に風が心地よく流れることを期待している。
開放的な間取り、ダイニングテーブルと一体化したオープンキッチン、4間(7280)を全開できる大型木製建具、
吹抜けの中央に構える軽く浮いた階段、オリジナル薪ストーブ、エコキュートの導入、などが特徴。
秋の竣工に向けて、現場が本格的に動き出した。 
施工会社のご協力により、ライブ映像をご覧になれます。  (林 隆)


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NO.157 (2004.06.08) 『登録建築家』
 
現在、日本建築家協会の登録建築家認定者は、長野県内では10名(林隆を含め)、全国で1069名です。    
以下は、日本建築家協会のホームページ http://www.jia.or.jp/ からの抜粋です。  (林 隆)   
「登録建築家とは?」  
登録建築家とは、社団法人日本建築家協会(略称:JIA)が建築家に関する国際的な基準に基づいて
認定要件を設定し、外部からの有識者・法律家・関係団体代表等の第3者による評議員を交えて組織された、
「建築家認定評議会」による審査を経て、認定要件を満たし合格した建築家を認定・登録する制度です。

登録建築家の目的は建築にかかわる消費者保護です。この目的を実現するために「資格の付与」と
「情報の公開」を行います。

「資格の付与」とは、建築の設計監理の仕事を責任を持って行うことができる「芸術性および技術能力と
職業倫理」を備えた人物に「登録建築家」の資格を与えることです。

「情報の公開」とは、市民が安心して設計監理の仕事を依頼することができるように、「登録建築家」の

情報をインターネット等を通じて広く社会に公開することです。


所員の独り言
先週、「高原の風が吹抜ける家」の地鎮祭が行われました。
地鎮祭のタイミングはリレーで言うバトンタッチに似ています。
これからも打合せなど色々な作業はあるのですが、
図面というバトンを施工業者の方に渡して、
主な作業を行う人も場所も変わります。
少しでも息のあった良いバトンリレーができるように、
内容の詰まった、良い図面をかき、充実した打合せを
現場で行えるようにしたいと思います。  (村山 崇)


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NO.156 (2004.06.01) 156回目
 最近、信州も暑い毎日が続いています。このコラムも2001年4月からはじめて156回目になった。
156と言えば車の話になりますが、よく考えてみると、以前そして今お世話になっている建築主の方でオープンカー
を所有されている方が6名もいることに気がついた。
 自然と向き合うこと。内とも外とも言えるあいまいな領域。快適過ぎないこと。そして単に走るということ。
暑い、寒い、狭い、雨漏りというよなマイナス面を超越して、何か大きな魅力があるのでしょうね。
建築ではなかなか許されませんが、大きな魅力があれば少しくらい我慢するところがあってもいいのかな! (林 隆) 


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NO.155 (2004.05.25) Bフレッツ
 事務所のネット環境を光ファイバー(Bフレッツ)に変え、それと同時に、IP電話(050-3439-9531です)も
はじめることにした。同じ基盤のプロバイダー同士なら通話が無料、相手が一般電話でも全国一律約8円/3分。
コスト的なメリットも大きく、企業だけでなく一般家庭へもどんどん普及していきそうです。
NTTは、近い将来一般電話の通話料による収入はなくなると予測しているようです。
 また、あるメルマガによると、「2007年4月には、携帯電話機の新機種はすべてGPS対応になる。」そうですね。
誘拐事件の捜査には非常に有効そうですが、居場所を知られたくないケースもありそうで(?)、世の中どうなって
しまうのでしょう? (林 隆)


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NO.154 (2004.05.18) 日本建築家協会
 JIA(ジェイ・アイ・エー)と呼んでいますが、一般にはまだまだ知られてない名前かと思う。
正式には、社団法人 日本建築家協会(The Japan Institute of Architects)。その中に関東甲信越支部があり、
長野地域会(長野県クラブ)は正会員68名で構成されている。今年度から、長野県クラブの広報の仕事に携わる
ことになった。会員間の広報だけでなく、一般社会に向けての情報発信について考えていきたいと思う。(林 隆)


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NO.153 (2004.05.11) 大型連休
 ふたつの大型建築を見ることができた。
「六本木ヒルズ」。10時前に着いたにもかかわらず、地下駐車場は3階までいっぱいで4階のわずかなスペースに
ギリギリセーフ。余談ですが同一フロアーにALFAが4台もいてビックリ。おのぼりさんとしては、家族の買物にも
つきあいながら、高層の住居棟を見て思った。いったいどんな人が住んでいるのだろうかと。以前TV番組で、
開発前のこの地で木造住宅に住んでいた地権者が大勢いたことを放映していた。開発後のあまりにも違う環境の中で
住み続けている人は本当にいるのだろうか? 建築の原点である「住む」ということ、巨大な開発、あまりにもスケールが
違いすぎて、暮らしている姿を想像することができなかった。
 もうひとつは、「まつもと市民芸術館」(伊東豊雄氏設計、OPEN準備中)。連休中限定で公開されていることを知り、

急きょ行ってみた。工事中も建設の是非をめぐって大きな話題になった施設。指名コンペで、当選案を見た参加建築家が
「この発想には参った。」と言ったとも報じられている施設でもある。規模や仕様には疑問を感ずる部分もあったが、
とにかく快適で居心地がよかった。新しい空間ではないかと思った。これは凄いことです。 (林 隆)


所員の独り言
 
声高におしゃべりをし、のびやかに飛びまわるツバメが訪れる頃となりました。
同じ季節に同じ場所に訪れ、「巣」作りをする小さな姿を見るたびに感心してしまいます。
 モノが溢れ、雑多になりがちな私たちの住まいとは違い、身近にある土と藁で作られたツバメの「巣」は、
自然材料で作られ、単純で安心して暮らせる、豊かな住まいの原点ではないかと思いました。
 子が育ち、巣立ちまで温かく見守りたいと思います。(長岡 信行)


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NO.152 (2004.04.27) 『「円なる教会」竣工』
 松本市の駅前から県の森へと続く通りに、「円なる教会」が竣工した。
大きな円弧を描くコンクリート打放しの外壁が、力強く道路側に向いている。
この円弧壁は人を優しく迎え入れるための機能性と、天地に広がる無限の可能性を表現している。   
道路側のいろいろな角度からの見え方、そして歴史のある門柱から玄関への長めのアプローチ部分は、
白樺と笹の植栽効果もあり、多彩は表情を見せてくれる。
 風景や周辺環境も、建物の印象も、人々の心も、そして社会全体が優しくおおらかであり続ける事を願って、
建て直した教会の新たな歴史が始まった。 (林 隆


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NO.151 (2004.04.20) 『竣工見学会のご案内』
建築主のご好意によりまして、見学会を企画しました。
限られた時間ではありますが、
ぜひお気軽にお越し下さい。
日時: 4/24(土) 9:30〜16:00

場所: 松本市里山辺 (詳細はトップページにて)
建物: 「吹抜を囲む家」(木造2階建て)
特徴: 夢のいっぱい詰まったコンパクトな家
     主要構造部には、長野県産の檜(柱)・杉(梁)を使用して空間をデザイン。  
     吹抜を中心とした、おおらかで開放感のあるPLAN。
     居間と連続する土間空間。
     白(漆喰)と黒(板張り)のシンプルな外観。
4/23(金)の市民タイムスに案内広告が掲載されます。 (林 隆)


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