今週のコラムバックナンバー(No.210〜201)


No.210 (2005.8.02) 『「窓辺に集う家(諏訪市)」上棟』
 2階リビングの南面には、大きな幅の連続する開口部がある。
1階は、玄関を兼ねた多目的なホールが南に向いている。そこはタイル張り。
その1・2階の両空間を結ぶ開放的な階段も、南向きの開口部に面している。
そこは、心地良い”窓辺”空間であり、日当りがよくて、明るくて、庭に面する一番いい場所だ。
(林 隆)   

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No.209 (2005.07.26) 『最近・・・』
7/17(日)  「共に生きる家」(松本市)地鎮祭、OMソーラーの家
         茅野市民会館(古谷誠章氏設計)内覧会へ、オープンは10月
        「森で歌う家」(原村)現場へ 
7/18(祝)  U邸お宅訪問 暮らし方についてお聞きする
7/19(火)  F邸設計打合せ、大きな方向性の確認
        「シルバー色の家」(塩尻市)現場へ 工務店と打合せ
        「地元の木でつくる家」(阿南町)竣工写真撮影に立ち合う、建築主とも会う
        HPの更新はお休みさせていただく
7/20(水) 新しいプロジェクト敷地調査(松本市蟻ヶ崎)
7/21(木) U邸設計打合せ、敷地全体計画について

7/22(金) O邸設計打ち合せ、実施設計のつめ
        「陽だまりの家」(豊科町)現場へ 工務店と打合せ

7/23(土)  「つながる家」(小海町)現場へ 建築主・大工さんと打合せ
        「森で歌う家」(原村)現場へ 
建築主・左官屋さん・ステンドグラス作家と打合せ 
        「窓辺に集う家」(諏訪市)現場へ 建て方2日目
設計中の施主さん、工事中の施主さん、お盆までにもう一度くらいお願いします。(林 隆)


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No.208 (2005.07.12) 『暑さと雨と風』
 晴れたり曇ったり突然雨が降ったりと、不安定で蒸し暑い毎日が続く。  
事務所にいて窓を開けていると、一瞬の雨やほんの少し風が吹いたりするだけで、
涼しくて心地よく感じることがある。そんな自然の恵みを、建物の中や外部空間でも
感じられるように、もっと深く考えていきたい。
 昨夜、設計の仲間とお酒を飲みながら話す機会があった。○○さんのあの空間は
どうのこうのと、お互いに批評し合える関係であり、楽しい夜だった。
長岡君、村山君、残業ご苦労様でした。 (林 隆)

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No.207 (2005.07.05) 『鯵(アジ)釣り』
 7/1・2にお休みをいただいて、事務所の仲間と上越の海へ行って来た。   
朝の2:00に事務所を出発し、5:00頃には貸し切りの船の上で雨の中、戦闘開始。
全くの初心者3人にもかかわらず、一緒に行ったプロ級(?)の知人達の手取り足取りの
指導と、魚群探知機の威力によって、半日で20〜30匹/人の大漁となった。これはおもしろい。
 見えるものは海と空だけ。水深約40メートルのことを考えるだけで、あとは何もない。
毎日毎日考え続けている建築空間のことは一切忘れて、大きなスケールの中に
身を置くことができた。心地良い疲労の後の、温泉とビールは最高だった。
 設計の進行が遅れている建築主さん、ゴメンナサイ。遊んでしまいました。 (林 隆)

所員の独り言
 「台所」 料理がまともに出来ない私にとって、家の中で最も分からない空間です。
どこに何があるのか、何に使う道具なのかすらあまり把握できていません。
このような有様では計画するに当って、例え数字的なことは分かっても、
感覚的なことが分かりません。
 台所だけに限らず、本当にすごしやすい建物をつくる為には、この「感覚」の部分が
必要です。生活に関わる事について、もっと色々なことを経験して学んでいきたいです。
(村山 崇)


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No.206 (2005.06.28) 『新しい住まいの設計』
 という雑誌(扶桑社、1500円)の8月号に、「風の流れる家」(上田市)が掲載されました。   
http://www.fusosha.co.jp/sumaipage/thismonth/index.html
今月の特集は、「ようこそ!家事ラクハウス」。
一直線につながる長さ4.5m(無垢板)の、キッチンカウンター+食卓テーブル。  
建具によって、隠したりオープンにもできる食器収納や家電置場 などの収納計画。
洗濯室〜洗面脱衣室〜浴室〜バスコートへと続く家事動線計画。
などが紹介されています。 (林 隆)  

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No.205 (2005.06.23) 『木造住宅の上棟』
 木造の架構が姿をあらわす上棟の瞬間は、とても美しいと思う。
屋根下地の垂木(タルキ)が組まれると、建物の輪郭がはじめてよくわかる。
骨組みだけの状態で夕陽に輝く。近くから見上げると空を背景に構造体が交差している。
ちょうどそのころ涼しい風が吹く。大工さん達の表情もすごく輝いて見える。
この日のこの瞬間は、施主さんにとっては感慨深いことでしょう。
そして私にとっては、今までのいろいろなことが思い出され、施主さんに喜んでいただけることが
何よりも嬉しい。 ここ何日かの間に、3軒の住宅が上棟を迎えた。


■ 6/11(土) 陽だまりの家(豊科町) 
 住宅地に建つ、変形コの字型のコートハウス。
生活の中心となる居間・食堂部分の環境をよくするために、中庭を設けていることが特徴。
その中庭を囲むようにメイン動線を確保することにより、全体的に明るく開放的な
ゾーニングが実現できた。シンプルな総2階部分と低くおさえた平屋部分で構成されている。

■ 6/13(月) 深い軒の家(長野市)
 大規模な住宅地の一区画で、周辺では何軒も工事が行われている。
南の前面道路側に、大きな開口部と深い軒下空間がある。
住宅は必要以上に背が高くない方がバランスがいいので、意図的に低くしている。
それにしても、廻りの家よりもだいぶ低い。同じ2階建ての家なのに。

■ 6/21(火) つながる家(小海町)
 牧歌的な風景の中に建つこの家は、軒の出がなくてゆるい屋根勾配のために ”直方体の箱”
のように見える。その輪郭は実にシンプルだった。
朝一番に、鉄骨のらせん階段が搬入され、夕方には屋根の断熱材まで工事が進んだ。
この直方体の箱は、屋根と外壁の三面は真っ黒に、外壁の残りの一面は真っ白になる。  (林 隆)

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No.204 (2005.06.14) 『「地元の木でつくる家」(阿南町)竣工』
 設計のご依頼をいただいたのは2年以上前のことで、その時はまだ土地が決まっていなかった。      
その半年後くらいに、購入予定の土地を見せていただいた。
新しく造成された住宅地ではあるが、周囲には田や畑が多く山並みも望むことができる静かな
場所だった。その後、ゆっくりではあるが着実に設計が進められ、昨年の11月に着工した。   

 大きな特徴は間取りにある。1階は家の中心で食事をして料理をつくる。そして2階はオープンな
ワンルーム空間として、子供さんが大きくなったら使う場所であり家族が集えるワークスペースでもある。
 柱・梁や床材だけでなく、デッキやキッチンの天板・テーブルまで地元の山の木を使ってつくった。
そして、建築主のこだわりもあり数多くのオリジナル品によって空間が構成されている。木製のキッチンカウンター、
ロング机+本棚、陶器の手洗器、木製の風呂桶、和紙貼りの建具、そしてオリジナル薪ストーブ など。
 夕方から夜にかけての時間帯は、室内の電球色の灯りが優しく そして綺麗に見える。
6/12の引渡しの日は、その光景をもう一度見てから帰路についた。 (林 隆)

 ※6/11(土)と6/13(月)には、上棟式が行われました。後日コメントします。

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No.203 (2005.06.08) 『自然と向き合うこと』
 大きな開口部を設ければ、思いっきり陽射しを受け入れて明るくて開放的で、内と外との
つながり方も強まる。その反面、ガラスが大きいと寒いし、夏は暑いかもしれない。
外から覗かれるかもしれない。網戸も大きくなるし、ガラスの掃除も大変。お金もかかるし。
内から外の見え方、外から内の見え方、これも難しいけれどうまくまとめたい。
建築を組み立てていくことは、矛盾する多くの事項をどう解釈して、何を優先していくかを
考えることでもある。「自然との向き合い方」を考えていくことは、矛盾してくることも多いが、
建築を計画する上ですごく大切なことだと思う。   
 余談ですが。ロードスターとビートを愛している二人の設計の仲間がいる。
私のALFA・スパイダーも出動していっしょに走ると、今の時期本当に気持ちがいい。
真正面から自然と向き合えるということだと思う。 (林 隆)


所員の独り言
 木々に囲まれた森の中は、爽やかな風と穏やかな光に溢れ、普段の雑多な生活から一変し、
気分を伸びやかにさせてくれます。森の空気には、フィトンチッドという、すがすがしい気分にさせる
不思議な物質が含まれているといわれています。
 住まう限られた敷地の中でもたった一本の樹木を植えるだけで、建物を彩り、私たちの生活に
潤いと安らぎを与えてくれる感じがします。長く心地よく暮らすために、
緑のデザインも考えてゆきたいものです。(長岡信行)

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No.202 (2005.06.01) 『「森で歌う家(原村)」上棟』
 静かな森の中で、建物を建てる場所だけ樹木を伐採したので、そこだけがすごく明るい。
廻りは木陰。見上げると円形状に青空が広がっている。まだ結構涼しい。
趣味の合唱、そのためには森の中がいい、そして天井の高い静寂な空間がほしかった。
そこを居間と考え、生活色の強い食堂や台所とは完全に切り離すゾーニングになった。
規則正しく連続性のある木造の架構が姿を現わした。 (林 隆)   

「林さんはどんな毎日なのですか?」 と聞かれることがありますので、ちょっと書きます。
<私の一週間>
5/23(月) 事務所内ミーティング
       「シルバー色の家」現場へ
5/24(火) 建築主Oさんと設計打合せ
       ホームページ「今週のコラム」
5/25(水) 建築主Uさん宅へ訪問+設計打合せ
        「北に開く家」へ訪問、一年検査
5/26(木) 建築主Fさんと設計打合せ
        設計相談の方と面談
5/27(金) 構造事務所と打合せ
       「クスリの赤澤」新装オープン、リポビタンDを買いこむ
       「陽だまりの家」の建築主と打合せ
       「窓辺に集う家」施工会社と金額調整の打合せ  
       「男の隠れ家(7月号)」発売、「八ヶ岳を望む家」が載る
5/28(土) 「共に生きる家」実施設計の最終打合せ
       「森で歌う家」上棟式
       芦原太郎氏からできたばかりの本を送っていただく、「家族をつくった家」
5/29(日) 建築主Hさん宅へ訪問+設計打合せ
       「陽だまりの家」現場へ
5/30(月) 事務所内ミーティング
       地方紙の取材
       「地元の木でつくる家」現場へ
5/31(火) 「窓辺に集う家」工事請負契約の立ち合い
       「つながる家」現場へ 
       設計相談の方と面談

------こんな感じでしたが、打合せや現場以外の時間帯が設計活動のため、寝不足ぎみの最近です。       

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No.201 (2005.05.24) 『「A店舗(大町市)」竣工』
 大町市の駅前通りに、薬品+お化粧品店 「クスリの赤澤」が竣工した。   
塩の道博物館に近い交差点の角地に位置し、道路拡幅によって敷地の形状が変わるため、
長年営んでこられた旧店舗を解体しての建替え計画だった。   
 効率のよい動線計画、地域に根ざしたサービスができるような商品構成やレイアウト、
お客様に気軽に立ち寄っていただけるような雰囲気、そして家族経営のご家族にとってパワーを発揮して
いただけるように、いろいろなことを願い計画した。
今までのお店の機能は継承した上で、吹抜け・コンパクトな階段・2階に多目的スペースなどの、
ゆとりと遊びの空間も付加させた。多目的スペースは、休憩コーナーとして、相談コーナーとして、
将来の商品構成の変化にも対応できるための場所として用意されている。
 角地の一方の道路はすでにアーケードが撤去され、もう一方の道路はこれから拡幅されて新たに歩道
もできる。これからその道路工事が行われ、その後建物の廻りに少し植栽を施して、綺麗な街並みが完成する。
内外装ともに白と黒の2色を基調とした新しいお店、5/27にオープンします。 (林 隆)

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