望む大屋根

遠くから大きなひとつの切妻屋根が見える。南は大きな開口部と大きな壁。北は一列の低い軒先。平面と断面の検討が同時に進められ、どこまでシンプルな形態にできるかを建築主と共に考えた。四角の平面形の中に住居部分と２台分のガレージが納まっている。そこへ大きなひとつの切妻屋根が架けられ、屋根勾配によって生まれた２階の階高の低い空間が子供ゾーン、それ以外の機能はすべて１階という構成。
主たる生活の場は一体空間であり、食卓テーブル・アイランドキッチン・薪ストーブ・オープンな階段・テレビ・ＰＣコーナーが有機的につながっている。個々の機能が据わる位置と開口部・壁との関係性が重要でその検討には基本設計の段階で充分に時間をかけた。それは毎日の暮らし方を考える事とイコールで、その方向性によって人の流れが生まれ快適さや落ち着きも求められる。更にできることならば”美しさ”もほしい。そして空間には”高さ”という概念も重要で、ほど良い高さというものがあると思う。