平屋は魅力がいっぱい【平屋編】 2-6
林隆のコラム
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住宅や別荘の設計の初期の段階で、建主さんから「本当は平屋の家が理想なのですが・・・」ということをよくお聞きします。
敷地の広さ、建物の規模、周辺の環境によっては、平屋の住宅や別荘も実現可能になってきます。
平屋は魅力がいっぱい
平屋の大きな魅力は、
① 階段など垂直方向の移動がないため動線が水平方向のみになり、間取りを構成する上で自由度が高くなります。
② 外部空間(庭やテラス)とのつながりをより強くできます。
③ 天井に勾配をつけたり、一部分を高くしたり、天窓を設けたり、屋根形状と共に検討をすれば豊かな空間になります。
④ 外観的には低い建物になるために、デザイン上バランスを整えやすいです。街並みの中でひっそりと佇むような印象になります。
一般的に住宅の間取りは2階建てが多いのですが、その場合、居間食堂台所ゾーン・個室群ゾーン・水廻りゾーンをどのフロアーに配置して、どのように関連させるかを考えていきます。
何を優先するかによってその答えは様々ですが、フロアーが異なることによって、どうしても距離感が遠くなる場面が生じます。
平屋の場合はすべての機能が同一フロアーになりますので、そのメリットは大きいです。
すべての機能が同一フロアーになるメリットは大きい
同じ平屋でも、平面形状の違いによって特徴があります。
細長い間取りの場合は、各室に窓がとれて外部とのつながりは強くなりますが、多少動線が長くなり、廊下のような空間が一部できてくる可能性があります。
一方、正方形に近い間取りの場合は、動線がシンプルで回遊することも可能ですが、建物の中央部が窓を取りにくい空間になりがちです。
どちらも多少の課題はありますが、大きな問題ではなく設計上の工夫によって克服できます。
条件が許せば平屋は理想の家かもしれません
建築工事の費用は、同じ延べ床面積の建物で平屋建てと2階建てを比較しますと、どうしても平屋建ては割高感があります。屋根や基礎の工事範囲が大きくなるためです。
しかし平屋にすることによって空間の魅力度が一気に高まりそうな場合は、今そして将来の生活スタイル・適正な規模・デザイン・費用などを総合的に考えながら、平屋も検討されることをお薦めします。
林建築設計室・林 隆