一番大切なことの優先順位を見極める【仕事術】1-6
林隆のコラム
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住宅設計の依頼をいただいていながら、理想的な土地がなかなか見つかりませんでした。
いくつかの候補地を見ているうちに、魅力的な土地がありました。変形敷地で、傾斜する地形の一角でしたが、市街を見下ろす景色が素晴らしいことから、そこに家をつくることにしました。
建物は小さくてもいい。その枠の中でいかにして密度の高い空間を創るか、検討を重ねていきました。
眺めの良さを最大限活かす
一番大切なことは何か、その優先順位を見極めていくことが、この家の設計そのものだったと言えるかもしれません。
日々の暮らし方、1・2階の構成、方位と眺めの考え方などを検討の結果、リビングをあえて2階にして眺めを積極的に取り入れています。
1階の個室と水廻りはコンパクトに凝縮。総2階のオーソドックスな家の外観デザインは、実は難しいのですが、プランと連動させながら、道路側の西面は窓がない寡黙な表情にしています。
一番大切なことは何か、その優先順位を見極めていく。
最終的なプランには、設計の初期段階での要望であったアイランドキッチン、屋根付きのガレージ、庭とつながるデッキ空間は盛り込まれていませんが、それ以上に大切なものを手に入れることができました。
住み心地の良い家、暮らしていて楽しい家とは何かを、私はいつも考えています。
林建築設計室・林 隆