厳しい条件を逆手に取る(仕事術1−9)リノベーション

林隆ブログ コラム・建築紹介

厳しい条件を逆手に取る(仕事術1−9)リノベーション

こんにちは。
林建築設計室の林です。
今日は早朝にこのブログを書いています。

毎週恒例「林 隆の連載コラム」をご紹介させていただきます。
9回目の今回は、リノベーションによって蘇った家づくりの物語です。

厳しい条件を逆手に取る(仕事術1−9)
https://www.h-a.jp/gallery/gallery_5852.html

長野県池田町に建つ築20年の住宅。
以前はご両親が週末住宅として利用され、
現在は今回のクライアントさんご家族が住んでいました。

屋根は瓦、外壁はモルタル吹付け、冬はとても寒い家でした。

そして何よりも間取りにいろいろな課題があることから、
どうしたら現在の生活スタイルに合った快適な暮らしができるのでしょうか、
という相談をいただき、設計が始まりました。

リノベーションで空間を蘇らせる
主な設計条件としては3点。
①今の暮らしに対応できる間取りへと変更したい。
②外観(瓦屋根とモルタル吹付けの外壁)イメージを見直したい。
③冬を暖かく暮らしたい。

思い切って建て直すことも考えられたようですが、築20年で解体するのはもったいない。
ご両親の想いを継承していきたい。
そして建設費用も抑えられることから、検討の結果、
リノベーションという手法で空間を蘇らせることになりました。

空間に新しい流れを生み出す
コンセプトは、空間を再構成することによって、新しい「流れ」を生み出すことでした。

シンプルで明快な「動線」の流れ、住み継いでいく「時間」の流れ、
日々の生活を楽しむ「音楽」の流れ、季節を感じる心地よい「風」の流れ。

間取りや内外装の見直しだけでなく、断熱改修と構造補強も同時に行いました。

1階北側に新設されたキッチンコート、そして2階のシアタールームからは、
北アルプスの美しい山並み望むことができるようになりました。

厳しい条件を逆手に取る

リノベーションの設計は、構造(柱、梁、基礎)だけを残してスケルトンの状態にして、
その構造躯体を活かしながら合理的な間取りを考えていくことになり、
新築とは違った視点での工夫が必要になります。

ある意味厳しい条件下での設計です。
しかし、プラン上の規制があることによって窮屈なプランになってしまうのではなく、
それを逆手に取って新たな発想も生まれ豊かな空間として蘇ることを目指しています。

プラン次第で新築と同等かそれ以上の建築になります。

林建築設計室・林 隆

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